最終更新: 2026年7月27日|執筆: 行政書士 赤澤善朗(Second.行政書士事務所)
これから夜のお店を始めるとき、ネットで調べても実際どんな許可や届出が必要なのか?頭の中でまとめるのってちょっと大変ではないでしょうか。

バーを開業したいけれど、何の許可が必要なのか調べるほど分からなくなってきた…



深夜0時を過ぎてもお客様がいるのに、深夜営業の届出をしてないと捕まるの?



保健所と警察署、どっちに何を出せばいいの?
今回は、こんな感じのお悩みを解消できるように風営法に基づく深夜営業について簡単にまとめてみました!またできるだけ「大阪」に特化した情報も取り込んでおります!
最後までお読みいただくとこれから大阪で深夜営業をするお店を開業するときの、風営法が関わる営業許可やその取得方法について基礎的な部分はほとんどお分かりいただけると思います。(なお、性風俗営業や特定遊興飲食店営業については今回の記事の内容に含まれておりませんので、別の機会に解説したいと思います。)




【結論】夜のお店(飲食店)に必要な手続き
先に初めに結論からお伝えします。深夜営業を行う飲食店の開業に必要な手続きは、お店のスタイルで決まります。
- 深夜0時以降にお酒の提供がメイン(バー・スナック・居酒屋など)の場合
-
①飲食店営業許可(保健所)②深夜酒類提供飲食店営業の届出(警察署)
- お客様へ「接待」をする場合
-
①飲食店営業許可(保健所)②風俗営業1号許可(警察署)
※深夜0時(地域によっては深夜1時)以降の営業はできません。 - 深夜も営業するが食事がメイン(ラーメン店・牛丼店など)の場合
-
①飲食店営業許可のみ(深夜の届出は不要)
- 深夜0時までに閉店する
-
①飲食店営業許可のみ
重要なポイントとして「接待」をするお店は深夜0時(一部地域は深夜1時まで)以降の営業ができません。ガールズバーやコンカフェを検討している方は、お店の営業スタイルは接待に該当するのか否か?という判断が必要になります。



接待の判断についてはコチラの記事の「コンカフェと風営法(風適法)の関係」の章を読んでいただけると、分かりやすいと思います。
AIでは書けないリアルな基準を記載しています。


1.深夜営業と風営法はどう関係するのか?大阪府の条例との関係は?
風営法とは?
正式名称は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」なのですが、長ったらしいので風営法フウエイホウ(もしくわ風適法フウテキホウという人もいる)と呼ばれています。
深夜営業をするお店と風営法が関係するのは「特定遊興飲食店営業」か「深夜における酒類提供飲食店営業」という営業の種類です。
「特定遊興飲食店営業」とは、ナイトクラブその他設備を設けて客に遊興をさせ、かつ、客に飲食をさせる営業(客に酒類を提供して営むものに限る)で、午前六時後翌日の午前零時前の時間においてのみ営むもの以外のもの(風俗営業に該当するものを除く)をいう。
例示すると「特定遊興飲食店営業」はナイトクラブやディスコなどです。
「深夜における酒類提供飲食店営業」とは、設備を設けて客に飲食をさせる営業で飲食店営業許可を受けて営むものうち、バー、酒場その他客に酒類を提供して営む営業(営業の常態として、通常主食と認められる食事を提供して営むものを除く)で、深夜(午前零時から午前六時までの時間)において飲食店営業を営むもの
例示すると「深夜における酒類提供飲食店営業」はオーセンティックBAR・ショットバー、接待行為のないガールズバーやスナック・コンカフェなど、アミューズメントバー・ダーツバー、シーシャバーなどの事です。
「特定遊興飲食店営業」と「深夜における酒類提供飲食店営業」の違い
どちらも深夜の時間帯(風営法的には深夜0時から朝6時までのこと)に営業を行う飲食店ですが、「特定遊興飲食店営業」は客に対して遊興を行う飲食店で許可制になっております。「深夜における酒類提供飲食店営業」は
風営法の”深夜における酒類提供飲食店営業の届出”が必要なお店の判断基準
深夜営業の届出が必要になる飲食店かどうかはお店の名前ではなく実際の営業内容で決まり、以下の要件に該当する飲食店です。これらに当てはまる飲食店は風営法の届出が必要です。
・飲食店営業である
・深夜の時間帯(午前0時から朝6時までの時間帯)に営業する
・主にお酒を飲む事が目的のお店である、ご飯を食べる目的のお店でない
・客に遊興を行わない(接待も行えません)
※かなり大雑把な書き方なので、厳密な定義は解釈次第だと思いますので、ご了承ください
ご飯を食べることが目的となっているファミレスやラーメン屋などは、たとえお酒を提供していても風営法の届出対象にはなっておりません。
逆に「風俗営業」になる↓以下の1~5号営業のお店は、深夜の時間帯に営業することはできません。
・1号営業=接待行為があるお店(社交飲食店)⇒ex.キャバクラ・ホストクラブ、ラウンジ・クラブ、スナック、ガールズバー(ボーイズバー)、コンカフェ(メンコン)…
・2号営業=暗くして営業するお店(低照度飲食店)
・3号営業=狭い個室等で営業するお店(狭区画飲食店)
・4号営業=パチンコ屋、麻雀店(雀荘)など射倖心をそそるおそれのある遊技場営業
・5号営業=ゲームセンター、ポーカーバー、アミューズメントカジノなど、本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技場営業
※パチンコ屋の場合は、風営法で別途営業時間が決められております。
大阪府の条例
風営法は”法律”なので、日本全国共通のルールです。その中から細かいことは地域の事情に合わせて各地域の”条例”で独自のルールが決められています。
【大阪府の条例で決められているルール】
・「特定遊興飲食店営業」はキタとミナミの一部の地域に限られ、さらにその中で保全対象施設から距離制限を受けない場所であり、かつ、客室面積が33㎡以上などの風営法の基準を満たす場所であること
・「深夜における酒類提供飲食店営業」にも条例で決められている用途地域の制限があるので、どこでも可能という訳ではない
・大阪府生活環境の保全等に関する条例によって「カラオケの使用は午後11時から翌日の午前6時まで(例外地域もあり」であったり、騒音の規制基準もある
・風営法以外に大阪府迷惑防止条例、大阪市客引き行為等の適正化に関する条例などで客引き行為の禁止がある
なお、カラオケを設置する店舗の許可について、コチラの記事でも解説しております。



ここからは「深夜における酒類提供飲食店営業」についてさらに詳しく解説していきます。
2.深夜営業の届出が必要な業種一覧と最近の大阪の傾向
最近の大阪の傾向
風営法が関わるお店にもトレンドのようなものがあります。商売ですからね。



全国的とも言えますがシーシャバーの新規出店(またはタバコの取り扱い店)が増えてきたなと感じます。
カラオケやカードゲーム、ボードゲームなどで遊べるアミューズメントバーも増えていると思います。
コンカフェやガールズバーも深夜営業をするお店が多いですが、そういったお店は接待行為をしているところも多いので営業内容に合わせて1号営業許可or深夜営業の届出を行うのが良いです。
天満や福島、天王寺、京橋、十三のような大阪市内で屈指の飲み屋街でも深夜0時を過ぎると人気(ひとけ)は少なくなります。そのため飲食以外のサービスやエンタメを用意して集客をしているように思います。
3.深夜営業の届出をするためのステップ
お店をオープンするまでの流れ
これからお店を開業するのに営業開始できるまでどれぐらい期間がかかるのか?というのは非常に気になるところだと思います。内装工事の進捗次第ではありますが、ざっくりとお答えすると最低でも1ヶ月ほどあればオープンできると思います。
深夜営業の届出の特徴として、警察署(公安委員会)に営業を始める10日前までに届出を行わなければなりません。
お店の賃貸契約
たいていは物件を賃貸して営業することがほとんどだと思いますので、物件の契約をするときには深夜営業の届出が可能かどうかの場所的な条件、設備・構造的な条件を確認しておくのが良いです!
お店の内装工事が必要なら、工務店さんなどに依頼をするのはこのあたりのタイミングかと思います。
申請に必要な書類は「HPからダウンロードして記入するもの」「役所に行って取得するもの」「お店の構造や設備についての図面」「大家さんからの使用承諾書や賃貸借契約書など」など多岐に渡ります。
必要な書類が揃ったら営業許可の申請など書類の提出を行います。その地域を管轄する保健所や警察署へ書類を提出します。
所轄警察や保健所の担当者さんが実際にお店に来て、検査を行います。審査する項目は法令に適合しているかどうかを必ず確認されます。
審査項目がクリアされていれば営業可能となります。飲食店営業許可は許可証が交付されます。「深夜における酒類提供飲食店営業の届出」はお店が基準を満たしていることが確認ができれば、届出書の提出から10日後から営業可能となります。



なお、風営法では「深夜における酒類提供飲食店営業の届出」と言うのですが、長いので「深酒”フカザケ”」や「深夜酒”シンヤシュ”」、「深酒”シンシュ”」などと呼ばれます。
深夜営業するお店の営業許可取得にかかる費用
営業許可申請の手続きにかかる費用だけで答えますと、大阪府の場合は飲食店営業許可の申請をするときに保健所で16000円が掛かります。
警察署では申請手数料のようなものはありませんので0円です。
行政書士に依頼した場合の依頼料はChatGPTによると7万円〜15万円だと回答されました。ただしお店の内容次第では細かく追加費用を加算している事務所もありますので、一見すると安く見える報酬額には注意が必要です。
自分で届出はできる?【必要書類リスト】
できます。時間と根気があれば、行政書士に頼まず自分で届出することは十分可能です。必要書類は以下のとおりです。
- 深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書
- 営業の方法を記載した書類
- 営業所の平面図・求積図・音響照明設備図
- 賃貸借契約書のコピー(使用権原を証明するもの)
- 住民票
- 飲食店営業許可証のコピー
- メニュー表
- 【法人の場合】定款・登記事項証明書・役員全員の住民票
最大のハードルは図面です。営業所全体と客室の面積をmm単位で計測し、求積計算書とセットで作成する必要があり、警察署はここを細かく確認します。手書きでも受理されますが、計測ミスで差し戻されると10日前ルールの関係で開業日が遅れるため、図面だけは慎重に。
平日日中に警察署と保健所へ複数回足を運ぶ時間が取れるかどうかも、自分でやるか依頼するかの判断材料にしてください。
4.深夜営業の届出ができる場所とできない場所
法令上、深夜営業の届出ができない地域というのがあります。「病院や学校から〇〇m以上離れないと…」みたいなややこしいものではありませんので、用途地域だけ確認すればオッケーです。「●●市 用途地域」のように検索すれば各市町村の役所のホームページから簡単に確認することができます。



簡単に言うと、地域ごとのまちづくりのために「用途地域」というものが決められており、その用途地域の種類で『…住居専用地域』という分類にされている住所では風営法の深夜営業をすることができません。
たいてい飲食店を出店するような駅チカや繁華街は『…住居専用地域』ではありませんので、殆どの場合はまぁ大丈夫だと思います。
また、場所だけでなく店内の構造にも基準があります。
- 客室が2室以上ある場合、1室あたり9.5㎡以上必要
- 見通しを妨げる高さ1m以上の仕切り・設備を客室に置けない
- 照明・音響・防音についても基準あり
居抜き物件でも、前のお店の仕切りやVIPルームがそのまま基準違反になるケースがあるため、内装工事の前に図面レベルで確認するのが安全です。
5.よくある質問や注意点【Q&A】
- 届出をしないで深夜営業したらどうなりますか?
-
無届での深夜酒類提供営業を行った場合は、風営法には「50万円以下の罰金」という罰則が規定されています。罰金でも前科となり、その後の許認可取得に影響します。また、実質的には接待営業をしていた場合は無許可の1号営業として「五年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金(法人の場合は最大3億円)」と最も重たい罰則が規定されています。
- 1号営業と同時に深夜営業の届出を行えない?
-
「同一のお店で1号営業(接待のある営業)と深夜営業を両方取りたい」とよく相談されるのですが、これは実質的に不可能です!
- 周りの人は深夜営業の届出をしなくてもいいって言ってます。
-
深夜営業の届出なんてしていない!と周りのお店の経営者が言ってました。というのをよく耳にしますが、たぶんそれはそのお店が届出をしなくて良いタイプのお店なのかもしれません。もしくは手続きが面倒で無届営業を行っているのかもしれません。
自分のお店も届出をしなくて良いという理由にはならないんじゃないかと思います。 - 居抜き店舗なら前のお店の許可を引き継げますか?
-
いいえ、引き継げません。飲食店営業許可も深夜の届出も営業者ごとに必要です。ただし、居抜き物件の場合は風営法の設備や構造の基準を満たしていることが多いというメリットはあります。今一度確認してから届出可能か判断します。
- 物件を契約する前に相談してもいいですか?
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行政書士に相談する場合、物件の契約前こそ相談をするベストなタイミングです。万が一、用途地域や構造の問題が生じた場合、契約後には解決できないことがあるからです。
- 大阪市以外(例えば、門真・守口・東大阪など)でも手続きは同じですか?
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ルールは大阪府内で共通ですが、届出先は店舗の所在地を管轄する警察署になります。所轄の警察署ごとに求められる書類に若干違いがあったりしますので、まずは管轄する警察署に事前に確認することをおすすめします。
- カウンター越しなら接待じゃないですよね?
-
接待になるかどうかの基準はカウンター越しであるか?隣に座ったら接待になる?という基準ではあませんので、ガールズバーやコンカフェが知らず知らずのうちに違法営業になっている場合もあります。
「無届でもバレない」なんてことはなくて、夜のお店を営業していると”お客様同士のトラブル”や”タレコミ”などで警察のやっかいになることはほぼ避けられません!そのときに「届出をしているお店」と「届出していないお店」でどんな印象になるかも考えると、法令を守って営業をする方が安心して経営できるんじゃないかと思います。
【まとめ】深夜営業の開業は「場所の確認」から始めよう
深夜営業の飲食店開業に必要なのは、①保健所の飲食店営業許可と②警察署への深夜酒類提供飲食店営業の届出の2つ。届出自体は無料で、自分で行うことも可能です。ただし順番を間違えると取り返しがつきません。物件契約前の用途地域確認 → 図面 → 保健所 → 警察署(10日前まで)の順序だけは必ず守ってください。
風営法の届出をするときの注意点
深夜営業の届出の条件とは?
大きく2つ。「場所的な条件」「設備・構造的な条件」があります。
場所的な条件は先程説明した用途地域の制限を守れば良いのですが、設備構造的な条件とは「1m以上のものを客室に設置できない」など、風営法の営業許可のお店と同じような基準があります。また、客室が2室以上になるときは、1室あたり9.5㎡以上必要になるなど、注意点があります。
風営法の許可や届出は個人でも可能?
個人名義や法人名義でも、どちらでも可能です。
深夜営業の届出を出したお店が他に守るべきことは?
営業を始めたら必ず従業員名簿を保管してなければなりません。
「自分のお店が接待に当たるのか分からない」「図面を作る時間がない」という場合は、深夜営業届出の代行サービスもご用意しています。
風営法の深夜営業の届出ならSecond.行政書士事務所が手続きを代行します!
元バーテンダーの行政書士が、現地計測から警察署への届出まで対応します(風営法手続きの総合案内はこちら/料金表)。もちろん、この記事を読んでご自身で手続きされる方の成功も応援しています。
過去の実績に一例ですが、こちらの記事で深夜営業の届出を2日ほどで完了した話しを紹介しておりますので、よかったら参考にしてくださいませ!!





このように、当事務所は深夜営業の届出を打ち合わせから書類の提出まで2日で完了させたこともあります。
他にもコンカフェ、ラウンジ、ガールズバー、雀荘、ポーカーバー、アミューズメントバーなど様々なお店の1号・4号・5号営業許可や深夜営業の届出など、風営法の手続きは多数の実績がございます!
できるだけ最短日数で手続きするよう努めておりますので、是非ご連絡くださいませ!!
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