【開業サポートch.】大阪でアミューズメントバーを経営するなら…風営法(風適法)の許可は必要?不要?!

飲食店の経営方法のひとつとして近年人気を集めるのが「アミューズメントバー」という業態です。

単なる飲食店に留まらず「遊び」を加えることでグループ客が来店しやすかったり、もちろんお一人様でもお店に通う動機になったり、お店の経営方法として利益率も高いため注目すべき業態だと思います!

ではアミューズメントバーを経営するにあたってどんな手続きが必要なのか?

その答えは、普通はなかなか勉強することがもないであろう風営法が関わっているため、ややこしいところがありますが、できるだけかんたんに解説いたします。

行政書士 赤澤善朗
目次

アミューズメントバーとは

最近、遊びながらお酒が楽しめるお店が増えてきたと感じていらっしゃいませんか?それがまさに「アミューズメントバー」です。現在非常に人気があり、多くのお客様が利用されています。

  • ダーツやカラオケなどを設置するお店
  • ボードゲームやカードゲームなどを用意して遊んでいただくお店
  • カジノ風のポーカー台やルーレットなどを設置するお店
  • スポーツ観戦や音楽鑑賞などでお客様を楽しませるお店
  • レトロゲームや最新ゲーム機などで遊べるお店
  • マジックやものまねなどでお客様をおもてなしするお店

このように一言で「アミューズメントバー」といっても、経営者・オーナーの方のアイデア次第で、様々な種類の営業スタイルがあります。

会社の同僚や友人と「2軒目どうしようか」となったとき、お酒を飲みながら遊べるお店は気軽に立ち寄りやすいものです。お店のコンセプトがオーナーのスキルや個性を活かしたものであれば、お客様にとってより魅力的なお店となるでしょう。

風営法(風適法)との関係

これからアミューズメントバーのタイプの飲食店を開業しようと考えている方の中には、風営法との関係が気になる方も多いかと思います。

まさに、お店の営業内容次第では、風営法の手続きが必要になる場合があります!!大まかに整理しますと、以下のように分類されます。

【風営法の5号許可が必要になるパターン】
例えば、カジノ風のポーカー台やルーレット台などを設置する場合→飲食店営業許可+風営法5号営業許可

【風営法の1号許可が必要になるパターン】
お客さんと一緒になってゲームなどを行う場合→飲食店営業許可+風営法1号営業許可

【風営法の深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要になるパターン】
5号にも1号にも該当しないけど、深夜に営業する場合→飲食店営業許可+深夜営業の届出

【飲食店営業許可だけで営業するパターン】

5号も1号も深夜営業もない場合→飲食店営業許可

このように、「設置する遊技機器」「接客の方法」「営業時間」によって必要な手続きが異なります。
万が一、無許可・無届で営業した場合は風営法違反となり罰則が設けられていますので、お店の営業スタイルに合わせてどの手続きが必要かについては、ぜひこの分野を専門とする行政書士にご相談されることをお勧めします。

風営法の1号営業とは

1号営業の代表例は「キャバクラ」や「ホストクラブ」ですが、アミューズメントバーでも1号営業に該当する可能性があります。実際には少ないケースかもしれませんが、以下に「接待」に該当するかどうかの判断基準をご紹介します。

『接待飲食営業、社交飲食店(※1)
キヤバレー、待合、料理店、カフエー(※2)その他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業(風営法第二条第一項第一号)
※1「接待飲食営業や社交飲食営業」の呼称は法令上の用語ではありません。
※2 キャバレーや待合、料理店やカフェなどと記載されていますが、これらはあくまでも例示であり、そういった名称を用いていなくても営業の実態が接待行為のある飲食店営業であるなら、1号営業に該当します。

【営業内容について】
では、どのような行為が「接待」と考えられるのか?警視庁による風営法の解釈運用基準(令和7年風営法改正後版)によると接待の定義は、「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」とされております。
これは、営業者、従業者等との会話やサービス等慰安や歓楽を期待して来店する客に対して、その気持ちに応えるため営業者側の積極的な行為として相手を特定して以下に掲げるような興趣(「談笑・お酌等」「ショー等」「歌唱等」「ダンス」「遊戯等」「その他」)を添える会話やサービス等を行うことをいう。言い換えれば、特定の客又は客のグループに対して単なる飲食行為に通常伴う役務の提供を超える程度の会話やサービス行為等を行うことである。

接待の判断基準
(1) 談笑・お酌等
特定少数の客の近くにはべり、継続して、談笑の相手となったり、酒等の飲食物を提供したりする行為は接待に当たる。これに対して、お酌をしたり水割りを作るが速やかにその場を立ち去る行為、客の後方で待機し、又はカウンター内で単に客の注文に応じて酒類等を提供するだけの行為及びこれらに付随して社交儀礼上の挨拶を交わしたり、若干の世間話をしたりする程度の行為は、接待に当たらない。
(2) ショー等
特定少数の客に対して、専らその客の用に供している客室又は客室内の区画された場所において、ショー、歌舞音曲等を見せ、又は聴かせる行為は接待に当たる。
これに対して、ホテルのディナーショーのように不特定多数の客に対し、同時に、ショー、歌舞音曲等を見せ、又は聴かせる行為は、接待には当たらない。

(3) 歌唱等
特定少数の客の近くにはべり、その客に対し歌うことを勧奨し、若しくはその客の歌に手拍子をとり、拍手をし、若しくは褒めはやす行為又は客と一緒に歌う行為は、接待に当たる。
これに対して、客の近くに位置せず、不特定の客に対し歌うことを勧奨し、又は不特定の客の歌に対し拍手をし、若しくは褒めはやす行為、不特定の客からカラオケの準備の依頼を受ける行為又は歌の伴奏のため楽器を演奏する行為等は、接待には当たらない。

(4) ダンス
特定の客の相手となって、その身体に接触しながら、当該客にダンスをさせる行為は接待に当たる。また、客の身体に接触しない場合であっても、特定少数の客の近くに位置し、継続して、その客と一緒に踊る行為は、接待に当たる。
ただし、ダンスを教授する十分な能力を有する者が、ダンスの技能及び知識を修得させることを目的として客にダンスを教授する行為は、接待には当たらない。

(5) 遊戯等
特定少数の客と共に、遊戯、ゲーム、競技等を行う行為は、接待に当たる。
これに対して、客一人で又は客同士で、遊戯、ゲーム、競技等を行わせる行為は、直ちに接待に当たるとはいえない。

(6) その他
客と身体を密着させたり、手を握る等客の身体に接触する行為は、接待に当たる。ただし、社交儀礼上の握手、酔客の介抱のために必要な限度での接触等は、接待に当たらない。
また、客の口許まで飲食物を差出し、客に飲食させる行為も接待に当たる。
これに対して、単に飲食物を運搬し、又は食器を片付ける行為、客の荷物、コート等を預かる行為等は、接待に当たらない。

これらの基準を読んでも、実際にどこまでが許容されるか判断が難しい場合もあるかと思いますが、「ショー等」「歌唱等」「遊技等」「ダンス」などは、営業内容によっては接待に該当する可能性がありますのでご注意ください。

風営法の5号営業とは

風営法の5号営業はゲームセンター等の遊技場営業ですが、現在では「カジノ風バー」や「ポーカーバー」が全国的に非常に盛んになっており、大阪でもたくさん見かけるようになりました。ポーカー台(トランプ台)やルーレット台は国が定める遊技機器に該当しますので、5号営業の許可が必要です。

『遊技場営業、ゲームセンター等』
スロットマシン、テレビゲーム機(※)その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)
(風営法第二条第一項第五号)
※ここに記載されているスロットマシンやテレビゲーム機は例示です。

国家公安委員会規則で定める遊技設備
 スロットマシンその他遊技の結果がメダルその他これに類する物の数量により表示される構造を有する遊技設備
 テレビゲーム機(勝敗を争うことを目的とする遊技をさせる機能を有するもの又は遊技の結果が数字、文字その他の記号によりブラウン管、液晶等の表示装置上に表示される機能を有するものに限るものとし、射幸心をそそるおそれがある遊技の用に供されないことが明らかであるものを除く。)
 フリッパーゲーム機
 前三号に掲げるもののほか、遊技の結果が数字、文字その他の記号又は物品により表示される遊技の用に供する遊技設備(人の身体の力を表示する遊技の用に供するものその他射幸心をそそるおそれがある遊技の用に供されないことが明らかであるものを除く。)
 ルーレット台、トランプ及びトランプ台その他ルーレット遊技又はトランプ遊技に類する遊技の用に供する遊技設備

※このように5号営業の対象となる遊戯設備は国家公安委員会規則3条に列挙されています。例えばプリクラを設置して営業する場合、プリクラ機は対象になっていませんから5号営業には該当しません。

5号営業の許可を取得していても、金銭等を賭ける賭博行為は認められません。
また、遊戯の結果として商品を提供したり(例えばワンドリンク無料サービスや景品交換など)すると、それも違法行為となり罰則の対象になりますので、経営者の方は十分にご注意ください。

深夜酒類提供飲食店営業とは

では、アミューズメントバーで深夜営業を行いたい場合はどうすればよいのでしょうか…??

「1号営業」や「5号営業」に該当しない場合は、深夜(午前零時から翌午前六時)も営業することができます。 ただしその場合は、「深夜における酒類提供飲食店営業の届出」を提出しなければなりません。

『酒類提供飲食店営業』
飲食店営業(食品衛生法の許可を受けて営むもの…中略…)のうち、バー、酒場その他客に酒類を提供して営む営業(営業の常態として、通常主食と認められる食事を提供して営むものを除く。)で、午前六時から午後十時までの時間においてのみ営むもの以外のもの
(風営法第二条第十三項第四号)
※ここに記載されているバーや酒場も例示になります。

『深夜における酒類提供飲食店営業の届出等』
酒類提供飲食店営業を深夜において営もうとする者は、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する公安委員会に、次の事項を記載した届出書を提出しなければならない。
(風営法第三十三条)
「深夜」とは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、風営法)において午前0時から午前6時のことを指します。

このように、「酒類提供飲食店営業」のような主にお酒を飲むお店を朝まで営業する場合は、管轄する公安委員会(要するに警察署)に、届出書を提出しなければならない義務があって深夜営業を無断で(無許可)行った場合には、風営法には「50万円以下の罰金」が課せられる規定がありますので、十分にご注意ください。
さらに「最長で6ヶ月未満の業務停止命令」がされるっていう規定もあります

どっちの許可も取ったらいいんじゃないん?

残念ながら重要な点として、深夜営業の届出を行っているお店では、「接待」に該当する行為を行うことはできませんし、ポーカー台やルーレットを設置することもできません。 深夜営業の届出と風営法の許可は、1つのお店で両方を取得することができないためです。

【営業時間について】

1号営業または5号営業の場合、原則として営業時間は午前6時から午前0時までになります。
ただし例外がありまして、例えば大阪の場合「大阪府の条例で定める地域(下表)」では午前1時までの営業が可能になっております。

アミューズメントバーが1号or5号営業に該当しない場合、深夜(午前零時から翌六時)も営業することが可能になりますが、その場合は「深夜における酒類提供飲食店の届出」を行わなければなりません。

風営法違反とならないための対処法

風営法違反とならないためには、風営法をよく理解した上でその範囲内での営業を心がけることが重要です。特に注意すべき点を3つご説明します。

1.風営法の手続きを正しく行うこと!

「1号営業」や「5号営業」であれば許可を、「深夜営業」であれば届出を必ず事前に行っておいてください。名義貸しや不正な許可取得も絶対に行ってはいけません。

「風営法の許可が取れない場所がある」のは事実ですが、学校や病院などが近隣にある場合でも、例外地域があったり規定の距離が確保できればクリアできる場合もあります。また、「ビルの管理人が風営法の許可を認めない」というケースはほとんど考えられませんので、不動産業者・管理会社・大家さんと今一度しっかりとご相談ください。

実例:女性従業員が客を接待する風俗店を無許可で営んだとして、●県警は風営法違反(無許可営業)の疑いで、XXXXにある店舗「●●●」の経営者YYYY容疑者(21)と、同市の従業員ZZZZ容疑者(21)を逮捕した。

「風営法の許可が取れない場所がある」のは確かにその通りです。学校や病院などが近くにある場合がそうなのですが、例外地域もありますし、決められた距離が離れていればクリアできる問題です。
しかし、「ビルの管理人が風営法を許可してくれない」なんて事はほとんどの場合ありえません!営業者が捕まらないためにも不動産屋さんや管理会社さん、大家さんともう一度ちゃんと話してみてください!

2.営業時間と営業内容には必ずご注意ください!

1号営業・5号営業のお店は深夜時間帯(午前0時から午前6時)に営業してはいけません(一部の例外地域では午前1時から午前6時)。深夜酒類提供飲食店営業のお店は、接待行為に該当しないよう注意が必要です。

特に5号営業のお店では賭博行為を行わないようにしてください。景品交換や賞金を伴うイベント開催を求められることがあるかもしれませんが、違法行為にあたる場合はきっぱりとお断りすることも、ご自身を守るための重要な手段です。

実例:警察によりますと、●●市の飲食店でポーカーゲームのトーナメント大会を開き、その参加者や優勝者には2万円を渡すなど賞金を提供したとして●●市の経営者(28)が風営法違反の疑いで逮捕されました。
男が経営するカジノバーは昨年12月、ゲームセンターやその他遊技場の営業に関する風俗営業の許可を受けていた。


実例:警察によりますとオーナーXXXX容疑者40歳とこの店の店長YYYY容疑者29歳は風俗営業の許可を受けずに接待させたり、客に酒類を提供して飲食させたりするなど、無許可で風俗営業を行った風営法違反の疑いがもたれています。「深夜に接待行為をさせている」との情報提供があり、事態が発覚しました。

「午前0時から午前6時まで営業できない」のは、許可を取っていてもいなくても同じことです!(例えば運転免許を持っていても持っていなくてもスピード違反は違反です。むしろ無免許運転の罪も加わります。と言えばイメージできるでしょうか?)

3.18歳未満の方に接待を行わせたり、お店に立ち入らせることは絶対にしてはいけません!

18歳未満の方を雇用してお客様への接待を行わせることは、そのお店の売上のためであっても絶対に許されません。また、18歳未満の方をお客様としてお店に立ち入らせることも厳禁です(なお、お酒の提供は20歳以上の方に限られます)。

風営法の目的には「少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため」と明記されており、この点での違反は摘発につながりやすい事例の一つです。

実例:逮捕容疑は風俗営業の許可を得ないで、男性キャストが客の高校3年の少女(17)にテーブル席で同席して会話する接待営業を行ったとしている。また、同課は当時中学3年の少女(15)に酒を提供したとして、同法違反容疑で元キャストの男(18)も逮捕。

「18歳未満を雇えなくなるから」や「18歳未満のお客さんが入れなくなるから」は一番やってはいけない過ちです!正直、この3つの中では営業者さんが一番捕まりやすい理由だと個人的には思います。なぜなら風営法の目的には「少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため」とはっきりと記載されているからです。

以上の他にも守るべき事項は多数ありますが、特に目立つ違反行為を挙げさせていただきました。

売上を確保したいというお気持ちはよく分かりますが、摘発されてしまっては全てが台無しになってしまいます。

許可を得ればすべてが許されるわけではありませんが、まずは正しい手続きを行った上で、適切に運営・経営していくことを強くお勧めします!!

風営法の許可の取得や届出を行うには

アミューズメントバーを経営するにあたってはこれまでご説明してきたとおり、まず営業内容に合わせて風営法の許可または深夜営業の届出を必ず行っておく必要があります。

風営法の許可を取得するには、大きく3つの条件(届出の場合は2つ)があります。

1,場所的な条件
【営業場所について】
政令で定める基準に従って都道府県条例で定める地域内であることや、保全対象施設というものから一定の距離が離れていなければなりません。
例えば、この地域は営業できません!となっていたり、病院や学校から何m以上離れていなければならない!といった感じで、営業できる場所に制限があります。


2,人的な条件(届出の場合は人的な条件はありません!)

【営業者について】
営業をする人にも許可を取得する基準があり、風営法に記載されている基準に該当する人には許可を取得することができません。
申請者以外にも管理者、法人の場合は役員にも基準があり、誰か一人でも引っ掛かると許可されません。

3,設備的な条件

【営業施設や設備について】
営業所の設備(内装など)について有名なものだと「1mを超えるものを設置できない」といった基準などを聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、そういった設備についての基準を満たしていなければなりません。

これらの条件はやや複雑ですので、なかなかご自身では判断が難しい部分もあるかと思います。風営法の許可取得をお考えの場合は、ぜひこの分野を専門とする行政書士にご相談ください。

また、不動産業者が「風営法の許可が取れます」と軽々しく断言するケースもあるようですが、行政書士の視点から申し上げますと、許可が取れるかどうかは慎重な調査なしには判断できないものです。ぜひ事前にご相談いただければと思います。

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風俗営業1号許可が必要かどうかは、「隣に座るか」「お酌をするか」だけで決まるものではありません。重要なのは、スタッフが通常の飲食提供を超えて、お客様を歓楽的にもてなす(接待する)役割を担っているか、特定のお客様に対して継続的な会話やサービスを行うか、お店全体が歓楽的な雰囲気づくりを売りにする営業かどうかです。

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