風営法が関わるお店を営む際には多くの法律的義務があります。そこで今回は風営法違反で最も多い従業員名簿の備え付け義務について解説したいと思います。

営業者が風営法のルールを知らなくても警察はそんな事関係ありません!違反は違反として取り締まられてしまいますので、風営法の関わるお店を営業している経営者さまに従業員名簿のルールについて今一度お伝えさせていただければと思います。


1.従業員名簿とは?
従業員名簿を備えなければならない営業者とは
風営法(もしくわ風適法)には、従業員名簿を営業所(もしくわ事務所)に備え付けなければならない営業者を定めています。
(従業者名簿)
第三十六条 風俗営業者、店舗型性風俗特殊営業を営む者、無店舗型性風俗特殊営業を営む者、店舗型電話異性紹介営業を営む者、無店舗型電話異性紹介営業を営む者、特定遊興飲食店営業者、第三十三条第六項に規定する酒類提供飲食店営業を営む者及び深夜において飲食店営業(酒類提供飲食店営業を除く。)を営む者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、営業所ごと(無店舗型性風俗特殊営業を営む者及び無店舗型電話異性紹介営業を営む者にあつては、事務所)に、従業者名簿を備え、これに当該営業に係る業務に従事する者の住所及び氏名その他内閣府令で定める事項を記載しなければならない。

【重要ポイント解説!】
上記のように従業員名簿を備え付ける義務を負うのは
①風俗営業者
②店舗型性風俗特殊営業を営む者
③無店舗型性風俗特殊営業を営む者
④店舗型電話異性紹介営業を営む者
⑤無店舗型電話異性紹介営業を営む者
⑥特定遊興飲食店営業者
⑦午後10時以降に酒類提供飲食店営業を営む者
⑧午前0時以降に飲食店営業を営む者
です。
なので、「映像送信型性風俗特殊営業を営む者」や「特定性風俗物品販売等営業を営む者」などには名簿作成の義務はありません!ただし例えば18歳未満のものをAV出演などさせると別の法律での違反となったり、あくまでも名簿作成の義務がないだけの話ですので、そのあたりはご注意ください!!
従業員の年齢確認をしなければならない営業者とは
大抵の場合は、従業員名簿を作成するのと同時に年齢確認を行うのが営業者にとって一般的かと思いますが、これも風営法に定められているからです。
(接客従業者の生年月日等の確認)
第三十六条の二 接待飲食等営業を営む風俗営業者、店舗型性風俗特殊営業を営む者、無店舗型性風俗特殊営業を営む者、特定遊興飲食店営業者及び第三十三条第六項に規定する酒類提供飲食店営業を営む者は、当該営業に関し客に接する業務に従事させようとする者について次に掲げる事項を、当該事項を証する書類として内閣府令で定める書類により、確認しなければならない。
一 生年月日
二 国籍
三 日本国籍を有しない者にあつては、次のイ又はロのいずれかに掲げる事項
イ 出入国管理及び難民認定法第二条の二第一項に規定する在留資格及び同条第三項に規定する在留期間並びに同法第十九条第二項の許可の有無及び当該許可があるときはその内容
ロ 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)に定める特別永住者として永住することができる資格



【重要ポイント解説!】
上記のようにネンカク(年齢確認)を行う義務を負うのは
①接待飲食等営業を営む風俗営業者
②店舗型性風俗特殊営業を営む者
③無店舗型性風俗特殊営業を営む者
④特定遊興飲食店営業者
⑤午後10時以降に酒類提供飲食店営業を営む者
です。
国籍の確認もあるため、「本籍地入りの住民票」を持ってきてもらうのは、このためです。
従業員名簿の意義について
従業員名簿を作成しないといけない義務は営業者にとって負担となるものですが、一方で違反行為を予防する意味もあります。



営業者が誤って年少者を使用する(雇用する)等の違反を事前に予防することが、従業員名簿を作成する意義になります。
特に接待飲食店や性風俗関連の営業は年少者を従業させると風営法、児童福祉法、売春防止法、労働基準法などの違反に該当するものもありますので、営業者は手間をかけてでも従業員名簿を備えましょう!
従業員名簿に記載する事項については、後ほど解説させていただきます。
2.備付義務違反と違反した場合の罰則とは?
従業員名簿の備付義務に違反したときは
従業員名簿を備え付けなかった場合、風俗営業者や特定遊興飲食店営業者は最大80日の営業停止命令(指示処分前置)、性風俗関係の営業者の場合は最大で4ヶ月以下の営業停止命令(指示処分前置は不要)がされます。
(営業停止命令は甘く見ないでいただきたいのですが、2ヶ月半や4ヶ月分の売上が飛ぶ訳ですからお店の経営には結構なダメージがあると思います)
また罰則は、「第36条の規定に違反して、従業者名簿を備えず、又はこれに必要な記載をせず、若しくは虚偽の記載をした営業者は、百万円以下の罰金(併科あり)」という規定があります。



【重要ポイント解説!】
従業員名簿を備えずに営業した時点でこの違反が成立しているため、事後に備えたとしても遡って罪責を免れる事はできません!!
生年月日等の確認を怠ったときは
年齢確認や国籍確認を怠った場合、風俗営業者や特定遊興飲食店営業者は最大80日の営業停止命令(指示処分前置)、性風俗関係の営業者の場合は最大で4ヶ月以下の営業停止命令(指示処分前置は不要)がされます。
また罰則は、「第36条の2第1項の規定に違反や第36条の2第2項の規定に違反して、記録を作成せず、若しくは虚偽の記録を作成し、又は記録を保存しなかつた営業者には、百万円以下の罰金(併科あり)」という規定があります。



【重要ポイント解説!】
記録を作成しなかったとは、従業員名簿に所要の事項を記載しなかったことを言います。
虚偽とは、事実に反すること。
記録を保存しなかったとは、確認書類の写しを添付保存しなかったことです。
3.名簿管理の実務的ポイント
従業者名簿に記載する事項とは
これは法令によって決められた事項を記載するようになっています。
【風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令】
(従業者名簿の記載事項)
第二十五条 法第三十六条の内閣府令で定める事項は、性別、生年月日、採用年月日、退職年月日及び従事する業務の内容とする。



要するに
1,業務に従事する者の住所及び氏名
2,性別
3,生年月日
4,採用年月日
5,退職年月日
6,従事する業務の内容
プラス、ここに国籍(外国人の場合は在留資格とその期限など)も合わせて記載しておくのが一般的です。
労働者名簿との関係
労働基準法に基づく労働者名簿の記載によって従業者名簿に代替できる場合には、従業者名簿を作成することまでは要しない(令和7年改正後の解釈運用基準35-1)事になっておりますが、この場合は風営法における確認・記載事項に抜け漏れがないように注意してください!
ホステスやキャストが労務上は個人事業主や業務委託契約などとされている場合でも、風営法上では名簿に記載しなければなりません。
警察の立ち入りがあったときは必ずチェックされます!
従業者名簿は「営業所ごと」に備え付けなければならないため、複数あるお店の名簿を一括して本社で管理しておくような方法は認められません。各営業所において少なくとも立ち入り検査があったときには直ちに閲覧できる状態でなければなりません!!



所轄の警察署の保安係(生活安全担当)は定期的にお店を巡回しております。そのときに必ずチェックされるので、常にお店に従業者名簿を保管してすぐに提出できるようにしておかなければなりません。
なお、許可証のように掲示する必要はありません!むしろ個人情報ですから、すぐに出せる状態であれば問題ありません。
確認の方法
従業者名簿に記載する事項を確認する方法は「内閣府令で定める書類」にて行わなければなりません。なので、履歴書や社員証、学生手帳等による方法は認められませんのでご注意ください!
【風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令】
(確認書類)
第二十六条 法第三十六条の二第一項各号に掲げる事項を証する書類として内閣府令で定める書類は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定めるものとする。
一 日本国籍を有する者 次に掲げる書類のいずれか
イ 住民票記載事項証明書(住民基本台帳法第七条第二号に掲げる事項及び本籍地都道府県名が記載されているものに限る。)
ロ 旅券法(昭和二十六年法律第二百六十七号)第二条第二号の一般旅券
ハ イ及びロに掲げるもののほか官公庁から発行され、又は発給された書類その他これに類するもので、当該者の生年月日及び本籍地都道府県名の記載のあるもの
二 日本国籍を有しない者(次号及び第四号に掲げる者を除く。) 次に掲げる書類のいずれか
イ 出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第二条第五号の旅券
ロ 出入国管理及び難民認定法第十九条の三に規定する在留カード
三 出入国管理及び難民認定法第十九条第二項の許可がある者 次に掲げる書類のいずれか
イ 前号イに掲げる書類(出入国管理及び難民認定法施行規則(昭和五十六年法務省令第五十四号)第十九条第四項の証印がされているものに限る。)
ロ 前号イに掲げる書類(出入国管理及び難民認定法施行規則第十九条第四項の証印がされていないものに限る。)及び同項に規定する資格外活動許可書又は同令第十九条の四第一項に規定する就労資格証明書
ハ 前号ロに掲げる書類
四 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)に定める特別永住者 同法第七条第一項に規定する特別永住者証明書



要するに日本人の場合は「本籍地が記載されている住民票」「パスポート」「その他本籍地の記載のある公的書類」となります。
一方で国民健康保険の被保険者証や児童扶養手当証書は本籍の記載がないため不可です。
退職後も3年間は保存しなければなりません!
従業者名簿の記録の保存は、その従業者が退職した日から起算して3年を経過する日までである、と風営法の規則できめられております。
【まとめ】Q&A
「アルバイトも名簿に載せるの?」



はい!ヘルプも含めて従業者全員分を名簿に記載しましょう!
「辞めた人の名簿はどうする?」



辞めた人も3年間の保存義務があるので、必ずチェックされます!
「名簿はどこに保管すればいい?」



営業所ごとに備え付けなければならないので、お店に保管しておきましょう!
これから風営法が関わるお店で働く人もお店を営業する側の人も従業者名簿について知っていただき、適切に営業をしていただけますと幸いです。
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